猫にまつわる都市伝説の一つに、「猫はイカを食べると腰を抜かす」というものがあります。
都市伝説ってミステリアスなものが多いですけど、イカで腰が抜けるなんてかなりミステリアス、というか意味不明です笑
でも、そんな風に言われるようになったのにはちゃんとした理由があったんです。
イカで腰が抜けるという都市伝説が生まれた理由を、医学的に解明していきます!
さらに、イカ以外の食べ物にまつわる都市伝説もちょこっと解明♪
ご自分の猫ちゃんで実験しないでくださいね笑
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イカで腰を抜かすのはなぜ?
この都市伝説を解明するには、ビタミンB1(チアミン)という栄養素の存在が欠かせません。
ビタミンB1は代謝機能などのさまざまな機能を整える役割があり、猫にとって必要不可欠な栄養素です。
他の動物が必要とする量の6~7倍ものビタミンB1が猫には必要なのですが、体内で作ることができないので毎日必ず食べ物から接種しなければいけません。
では、猫にとってビタミンB1が必要不可欠な栄養素だとわかったところで、問題のイカに登場してもらいましょう。
イカにはチアミナーゼという酵素が含まれています。
なんと、このチアミナーゼは
ビタミンB1を分解してしまう酵素なんですよ。
猫の体内にあるビタミンB1が分解され、ビタミンB1不足するとビタミンB1欠乏症を引き起こします。
ビタミンB1欠乏症の初期症状は、食欲不振や嘔吐による体重減少など。
さらに症状が重くなると、歩行運動失調などにより、普通に歩けなくなったり、ふらふらするようになるそうです。
この症状がまさに「猫がイカを食べると腰を抜かす」なんですよね。
きっと、イカを頻繁に食べていた猫がまともに歩けなくなるのを見た人が、「猫にイカを食べさせると良くない!」ということを広めた結果、猫がイカを食べると腰を抜かすと言われるようになったんでしょうね。
猫にとって危険なイカを食べさせたいと思う飼い主さんはいないでしょうが、実は猫にイカを食べさせても大丈夫なんです!
食べさせたいときは、イカを○○して!!
猫が食べても大丈夫なイカは。。。
- 新鮮なイカ
- 加熱したイカ
ビタミンB1を分解する酵素チアミナーゼは、イカが古くなるにつれ、多く含まれるようになるのですが、新鮮なイカならその量は少ないようです。
また、チアミナーゼは熱でその働きを失うので、加熱したイカなら大丈夫。
お父さんがおつまみに食べていた焼きイカを猫が盗んで食べてしまっても、その猫がビタミンB1欠乏症になる可能性は低いわけですね。
ただし、人間の食べ物は塩分が多いため、猫に与えるべきではありません。
どうしても食べさせたいときは、味のついていない(塩分の少ない)、加熱したイカを少量だけ与えるようにしてください。
また、イカ以外にもチアミナーゼを含む魚介類はいくつかあるので、生の魚介類を食べた猫に異変を感じたら、病院で診察を受けてくださいね。
猫と食べ物にまつわる都市伝説が他にもあった?!
「猫がアワビを食べると耳が落ちる…!!」
本当だとしたらショッキング!!
この都市伝説はアワビに含まれるクロロフィルという成分が原因の「皮膚炎」に関係しています。
クロロフィルとは光合成を行う葉緑素で海藻に含まれます。
海藻を食べたアワビなどの貝類は、中腸腺(ちゅうちょうせん)という部位にクロロフィルを蓄積させます。
クロロフィルを蓄積させたアワビを猫が食べることで、猫の顔や手などに炎症が起きるのです。
炎症が起き、ただれた顔や耳を足でガシガシと掻く猫を見て、「そんなに掻いたら耳が取れちゃう!」と心配した方がいたのでしょうね。
アワビの場合も、加熱するか、中腸腺を避けることで皮膚炎を予防することができます。
イカといいアワビといい、猫は魚介類が好きなイメージがありますが、好きだからとむやみに食べさせるのは結構危ないかもしれませんね…
猫に与える食材選びは慎重に
飼い主がご飯を食べている横にちょこんと座って刺身をおねだり。
そんな姿を見てしまうと、ちょっとなら…と、人の食べ物をあげてしまいますよね。
ですが、猫にとって毒になる食材を与えてしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。
猫に人の食べ物を与えるときは猫に害のないものを選び、栄養過多にならないように充分気を付けてあげてくださいね。
間違っても、生のイカやアワビの内臓を食べさせて、腰が抜けたり耳が落ちたりしてしまうことのないようにしてください!!
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