猫好きの皆さんこんにちは、おっきゃんこと沖本晴香です♪
以前、沖本家の猫たちについて簡単に紹介したことがありました。
この記事ですね↓
今回はもっと掘り下げて、猫たちとの出会いについて語っていこうと思います(*ノωノ)
猫好きな私の歴史と不運な出来事
私、幼い頃から動物が好きで、中でも猫には特別惹かれてたんです。
何度も両親に猫を飼いたいと頼み込んだけど、許しはなかなかもらえませんでした。
この前家の片付けをしていたら猫を飼いたい気持ちを綴った当時の手紙が出てきて笑いました( *´艸`)
「お小遣いなしでもいいから!」「お手伝いだってする!」「ほんとに何でもするから!!」
幼いながら、どうすれば両親を納得させることができるか必死に考えたんでしょうね。
結局、小学生の間は猫を飼う許しをもらうことができず、ずっとお魚を飼ってました。
メダカとか熱帯魚とかね(^^♪
どうしても猫を触りたいときは猫を飼ってる友達の家にダッシュしてました笑
それくらい猫欲が強かったんです。
月日は経ち、私は中学生になりました。
頑張って受験勉強して、地元から離れた土地で新しい友達がたくさんでき、毎日笑って楽しく過ごしていました。
「テストやばかった。死んだ。」「あの人かっこいいよね~」
なんてたわいもない話で何時間もカフェに居座ったり。
道路を走る車の影を飛び越える遊びで足をくじいて病院に行ったり。
ごく普通の中学生活を送っていたのに…
中2の春、人生最大の不運に見舞われてしまいます。
それまでずっと健康で病気とは縁のなかった私が難病と診断されました。
中1の冬くらいから、トイレの回数が増え、体がだるく、発熱や腹痛などの症状があっておかしいなと思っていたんです。
体がだるくて大好きな学校に行けなくなるほどになってからやっと病院に行きました。
家から車で15分くらいのところにある総合病院で診てもらったんですが…
「簡単な検査だけではよくわからないので検査入院しましょう」
点滴すらしたことがなかった私が入院です。怖かったし、不安でした。
その病院では胃カメラや大腸カメラの検査をしましたが、診断が難しかったらしく、もっと大きな病院へ行くことに。
大学病院でした。私が住む地域ではトップクラスの設備を誇る病院です。
大きくて、人の数も多く、なんだか大変なところに来てしまったな、とそのとき改めて事の重大さに気づきました。
2週間かけていろいろな検査をして、やっとこさ病名がわかりました。
「クローン病」
もちろん、皆さんがよく知るそのクローンではなく、クローンさんが発見した、「クローン」病です。
「自己免疫疾患」、簡単に言えば、よそ者を攻撃して自分を守るはずの免疫が何らかの理由で誤作動を起こし、自分の細胞や組織を攻撃してしまう病気の一つです。
クローン病の場合、消化器系に炎症が起きます。
私の場合は特に大腸の炎症が酷いみたいで、下痢や腹痛が起きやすいですね。
今までの症状を見れば、消化器系がおかしいことくらいわかってました。
自己免疫疾患とか、消化器系に炎症が起きやすいとかそんなことよりも何よりも衝撃だったのは…
治らない病気だということです。
正直まったく実感が沸きませんでした。
「一生病気だなんて聞いてない!そんなわけない!」
と喚き散らしそうな現実ですが、当時の私は結構冷静というか、「治らない」ことの重大さがよくわかっていなかったと思います。
のちにその重大さを思い知らされるわけですが…
それはもう少しあとでお話ししますね。
治らないというのはつまり、
病気の原因がはっきりわからない
→治し方がわからない
→治す薬がない
→治らない
ということなんだと思います。だから難病指定されているんです。
本当の原因はわかりませんが、中学受験のストレスや、新しい環境でのストレスが重なったことが原因の一つだと私は思っています。
ストレスは大病のもとですからね…
この事実を知った両親は私以上にショックを受け、責任を感じていました。
ただ、そのときはまだ病気が進行していなかったので薬がよく効き、普通に生活できるくらいに回復していきました。
最初は辛かった入院生活ですが、体調が良くなってからは少し楽しいと思うようになり、洗濯をしたり本を読んだりと、そこそこ有意義な時間を過ごせていたと思います。
そんな入院生活で私が出会った雑誌があります。
「猫びより」
病院内の売店で見つけたんです。相変わらず猫好きだった私は父にねだって買ってもらいました。
その雑誌を嬉しそうに読む私を見て、父があるDVDを借りてきてくれました。
猫のDVDでした。
かわいい猫たちが遊んでいる姿や寝ている姿などを収めた短いものでしたが、私の奥底に眠っていた情熱をよみがえらせるには十分すぎるくらいです。
病気に対する危機感のなかった私は良からぬことを思いつきます。
「今なら両親はなんでもしてくれるかも」
そこで何気なく父に話してみたんです。
「猫いいよね~。飼いたいな~。」
「そうじゃね~、飼っちゃう?」
来た…!
「言ったね?」
「言ったよ」
「飼うーーーーーー!!」
あんなに拒否されてきたあの夢があっさり承諾されました。
猫を飼える…!
病気になったことは不運だったかもしれませんが、病気が猫を飼うきっかけになったと考えると、大いなる幸運だったのかもしれませんね。
まだ退院してもないのに、外出届を出して意気揚々と、それはもう意気揚々と、ペットショップに向かいました。
母とバスの中で、茶トラ柄の猫とかいいよねー。なんて話をしながら。
どこにペットショップがあるかよく知らなかったので、適当に調べて見つけたところにとりあえず行ってみました。
下見くらいの軽い気持ちで、です。
莉玖との出会い
そのペットショップはデパートの9階にありました。
魚や亀、うさぎやハムスターが店先に並び、奥に犬猫のショーケースがずらっと並んでいます。
犬ばっかりで、猫はいないのかと思ったら、部屋みたいな作りになっているショーケースの中に1匹だけ猫がいました。
売れ残ったアビシニアンでした。
キャットタワーのドーム状のベットで寝ていて、丸まった背中しか見えていません。
猫が好きなのに猫の知識がなかった私はアビシニアンという血統種すら知らなかったので、店員さんに聞いてみました。
すると店員さんはすぐに分厚い本を持ってきて、アビシニアンの写真を見せてくれたんです。
「ちょっと違うかな…」
正直、そう思いました。茶トラが良かったんですもん。
茶トラと比べたらアビシニアンのルディはかなり色が濃いですしね。
寝ているアビシニアンの丸まった背中を眺めていると、
「触ってみますか?」
と言う定員さん。
猫は好きなので触るだけ触ってみることにしました。
店員さんがショーケースの後ろ側についているドアを開けた瞬間、寝ていたアビシニアンが飛び起きてダッシュ!
その姿を見たとき、あれ…?キレイな猫だな。って見とれちゃいました。
そして初めてその顔を、目を、表情を見たとき。
ひとめぼれしてしまいました。
すべてがキラキラしてたんです。
アビシニアンはその特殊な体毛のおかげで光が当たると体がキラキラ輝くんだけど、それを抜きにしてもすべてがキラッキラ輝いてましたね。ダイヤモンドよりも断然。
ショーケースの外に出ることがあまりないからか、店内をキョロキョロ見回すアビシニアン。
そっと手を伸ばしてみると、嫌がらずにおとなしくなでさせてくれました。
こんなにかわいい子が1歳になるまで買い手がつかないことなんてあるんだ…と不思議に思いました。
私が親ばかだから「こんなにかわいい子が」と思ってるわけではなくて、本当に美人なんですよ。
最初は女の子かと思ったくらいです。
友達や動物看護師さんにも褒められるんですよ??
そんなことはさておき…
完全に虜になっていた私は、母に言いました。
「この子にしよう」
母も、アビシニアンの毛並みの美しさやしなやかな体に惚れていたみたいで、私と同じ気持ちだったそうです。
そうと決まれば、次に説得すべきは父。
すぐに電話します。
「かわいい子がいた。飼ってもいいよね?」
押し気味に笑
若干渋りつつも承諾してくれました。
一応兄にも連絡。
猫を飼う話をそのとき初めて聞いた兄は…
「え、猫?俺は犬がいいけど、まぁいいんじゃない?」
いぬ年の兄は犬が好きだったようです。
家族の了承を得られたので、とりあえずキープしてその日は病院へ戻りました。
皆さんお忘れかもしれませんが、このとき私はまだ入院中でしたから笑
実はこのときすでに名前を決めていました。
莉玖のかっこよくて強そうで、凛としたイメージに合うような名前を考えて考えて考えて…
母と2人で、「りく」にしようと決めたんです。漢字は当て字。
数日後。
ついに退院の日が来ました。初めてにしては長い、1ヶ月の入院生活がやっと終わります。
病院から出て、すぐペットショップに向かいました。
いやいや、家帰って何かしら準備とかあるでしょうよ、と思いますけど、待ちきれなかったんですよ。
ちゃんといました。いなくなるわけないんですけどね。
健康診断も済んでいて、問題ないから今日連れて帰っても大丈夫とのこと。
歓喜ですよ。こんなにワクワクしたことはありません。
その場で母がいろいろな手続きを済ませ、一通りの猫グッズを買い揃え、やっとすべての準備が整いました。
大量の猫グッズと、段ボール製のキャリーバックに入れられた莉玖をタクシーに乗せ、帰宅。
そのとき莉玖はキャリーバックの中で不安そうに鳴いていました。
家に到着。
私と兄の部屋に莉玖を連れて行きます。
初めての場所に興味津々で、部屋中を探検する莉玖。
ウキウキしながら猫グッズを設置して…
一通り準備が終わったら、私はすぐに莉玖と遊び始めました。
それを見ていた母や兄も遊びに参加して、人間3人の間でおもちゃを追いかけて走り回る莉玖。
家に猫がいることが嬉しくて嬉しくて、つい莉玖に構いすぎてしまったんです。
すると突然、莉玖が豹変してしまいます…
予期せぬハプニング
ものすごく凶暴になってしまったんです。
すごい形相で威嚇し、私たちの手足を噛み、引っ掻き…
驚いたなんてもんじゃありません。初めて猫に恐怖心を抱きましたよ。
莉玖が豹変した理由は明白。
初めての場所で緊張し、ストレスを感じているところに私たちが執拗に構ったことで、不安やストレスが爆発してしまったんです。
私たち家族は猫を飼うのが初めてだったので、そんなこともわからなかったんです。ごめんね莉玖。
とりあえずペットショップに電話して対応を聞くと、そっとしておくのが良いと言われたのでしばらく放っておくことに。
家族の間にはどんよりした空気が流れていました。
「本当に猫なんて飼えるの?」「凶暴なままだったらどうしよう」「これからどうなるんだろう」
手足が傷だらけの家族を見て、1日目にして早くも心が折れかけてましたね。
仲直り
莉玖が来て2週間くらいは、学校には行きませんでした。
退院してすぐだったし、莉玖が心配だったんです。ずる休みなんて言わないで( ノД`)
平日の昼間は家に私と莉玖だけ。
でもまた噛まれるのは嫌だし怖い。
でもご飯やトイレのお世話はしないといけない。
ということで、一瞬だけ莉玖がいる部屋のドアを開けてさっとご飯を入れ、さっとトイレを片付ける。
莉玖とほぼ関わらないようにお世話してました笑
でも徐々に、「もう大丈夫かも?」って思うようになったんです。
部屋に入っても隠れてるし、全然攻撃もされないし。
でもやっぱりまだ怖い。
そこで私が考えたのは、
「ドアの隙間からおもちゃふりふり作戦!!」
売れ残ってたといってもまだまだ遊びたい盛りの1歳。
さすがに一人は寂しいだろうと思って、遊ぶことにしました。
名前の通り、ドアの隙間からおもちゃを差し込み、ドアの向こう側で遊んでもらう作戦です。
だから私が莉玖と触れ合うことはありません。これなら怖くないっ!
ドアの前に座布団を敷いて、猫じゃらしを握りしめ、小一時間遊び続ける生活が続きました。
5月くらいだったのでそこそこ暑かったんですよね。
座布団に正座して、汗を流しながらドア越しにおもちゃを振ってる姿を想像すると相当笑えます。
そうやっているうちに、莉玖と私の間にあった壁が少しずつ取れていき、いつしか触れるようになりました。
初めて触ったときはもう感無量でしたね。
あんなに攻撃的だった莉玖が、ゴロゴロ喉を鳴らしながら甘えてくるんですもん。
あぁ、この子は本当はこういう子なんだ。
甘えん坊なんだなぁ。
そう思いました。
自分を守るために凶暴になっていただけで、本来の莉玖はとっても良い子だったんですね。
それからは他の家族にもすぐに慣れ、他の部屋にも出入りするようになって、拍子抜けするほどすんなりうちの子になっていきました。
当時の写真がこちら♪
若い!細い!
今も昔も変わらずイケメンですね~
完全に気を許してる表情ですよね( *´艸`)
この子があんなに暴れてたなんて…今では思い出すのが大変なくらい。
アビシニアンは適応力が高い品種なので、私たちが最初に失敗していなければもっと短時間で慣れていたのかもしれません(-_-;)
でも、初めに大ゲンカしたからこそ、今の絆があり、今の莉玖がいるのかな?なんて思ったり。
結果オーライってやつです。
今では沖本家に必要不可欠な家族の一員として、毎日愛情を精一杯表現してくれます( *´艸`)
病気になって、たまたま売れ残ってた莉玖に出会って、大ゲンカして(;^ω^)
いいことばかりではなかったけど、そのどれかが欠けていても今の莉玖はいなかったんです。
どんなに悪いことも、莉玖がいれば良いことに変わっちゃうのが不思議ですね(*´▽`*)
仲直りしてからは、私と莉玖はずっと仲良く幸せに暮らしましたとさ♪
…と、気持ちよく物語を終わらせたいところなんですが…
悪いことのあとは良いことが、
良いことのあとは悪いことが…
人生って、良いことと悪いことの繰り返しで、
ずっと平穏や幸せが続くわけではないんですね。
そのことを身を持って実感することになります。
第2章
人生のどん底と、絶頂